私の場合、愛と信頼の絆で満たされたM女性には、それほど興味は抱きませんが、悩んだり、戸惑ったり、揺れ動いている女性を観るのは大好きなのです。
愛と信頼に基づいたSMは、本人たちにとっては至福の関係でしょうが、私の好む情景はそこにはありません。
私の思い描く情景は、縛られる事を望まない女のからだを責めて、不本意な悦楽を感じさせることによって、心に恥辱を与え、堕としめていく情景です。まさに好きでもない「男」に責められて、喘ぎ声を漏らしてしまう女の情景です。

私の求める情景は、不幸にもリアルに実現するには矛盾を抱えてしまいます。SMプレイは同意が原則ですから、望まない責めを求めるというのは最初から崩れてしまう。本当に望まない女を縛れば犯罪になってしまう。だから私の望む、小説的、演劇的情景を具現しようとするのはなかなか難しい事なのです。

しかしこのような妄想を理解する女はいます。少数派ではあるが存在することも事実です。本当に嫌がるのではなく、そのような情景を心に抱き、そのような情景に浸ってくれる女もいるのです。
SMは行為より、心に描く妄想の方が私は大事だと思っています。いくらハードな行為でも、愛と信頼で結ばれた関係で行うそれはモラルの内で、背徳でも淫靡でもありません。行為は大したことはなくても、例えば筆をからだに這わすことでも、心に淫靡な妄想があれば、それはとてつもなくいやらしい責めになるのです。

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